「SMの競争力」 その12011/02/22

スーパーマーケットビジネスは無論、小売業の世界では“無競争・無競合”の状態は無いと云えます。
業態内、業態間、店舗・無店舗間、国内・国外企業間など、境界、国境の無い競争状態になりつつあります。

では、無店・無競合ならば競争力は必要なく、永続できるのでしょうか?スーパーマーケットビジネスが「永続」する必要条件は何でしょう?競争力とは何かについて思いを巡らせてみましょう。


先ず第一に、なぜ企業は競争するのか? 素朴な疑問からスタートです。ランダムに思いつく事を挙げれば、

1.企業を創業、永続、発展させたい明確な理由、目的、強い思いが有る。
2.この場所、このマーケットの競争枠内に、生存、存続可能な自社の居場所を確保したい意思がある。
3.企業は「永続」できなければが社会的責任を果たせない。
スーパーマーケット企業は、地域の生活者、社員とその家族、お取引先、生産者など広範囲な連携を持つ社会的存在であり、社会的責任を負っている。

次に、競争力のあるSMの店舗イメージを幾つか思い浮かべてみましょう。
1.固定客、リピーターが多く、毎日、賑わっています。
想像されるその理由は、
①足もと(最寄り)商圏の人口密度が濃いこと、
②青果、鮮魚、惣菜とう買い物頻度の高い部門への顧客の支持が高い。
③価格への信頼性が高く、安心し買える「安心価格」であること、
④品切れが少なく、ムダ骨を折る心配が少ない。
⑤この店ならではのユニークな魅力<独自性>がある。

2.一箇所で、日々の食材が買い揃えられる便利さ。
3.近くて便利な場所、入り易く駐めやすい駐車場、駐輪場を完備 
4.社員が生き生きと楽しげに働き、売場に活気がある。
5.毎日来ても飽きない、期待感を懐かせる楽しいお店で有る事などが、馴染みのお店に行く要因と思います。

こんどは視点を変えて、成功していない、衰退している企業の分析から、逆説的に、SM企業の競争力を考えてみたいと思います。
米国の企業を分析した優れた書籍、 
衰退の5段階 ※ ビジョナリーカンパニー③ ジェームズ・C・コリンズ著  によれば、衰退の五段階は、
第1段階  成功から生まれる傲慢
第2段階  規律なき拡大路線
第3段階  リスクと問題の否認
第4段階  一発逆転策の追求
第5段階  屈服と凡庸な企業への転落か消滅
に分けて考えられると有ります。
このことは、日本企業の実例や個人的体験からも同感できます。
競争力のある企業とは、常に自企業の立ち位置を確認しながら各段からの脱出ができる企業力、マネージメント力とも云えます。

スーパーマーケットの競争力と言う時の「力」Powerとは、どんな力を指すのでしょうか?色々なご意見がある事と思います。

私が思う競争力の要因は、
① 戦いを維持できる経営資源の保有
② 環境変化に敏感で、変化に速やかに対応できる「組織力」「マネジメント力」
③ 市場の変化に対応した「業態」開発力、「店舗」企画力
④ 店舗の好立地を評価、選定し、獲得する「物件取得」力
⑤ 計画された売上、利益を実現する営業力
1) 商品力 2) 販売力 3) 販売促進力 4) 店舗運営力
⑥ 企業文化
   1) 顧客志向  2) 改善・改革への情熱 3) チーム力重視
等があり、これらの総和が競争力と考えるのですが、さて皆様は!

「俺が、私が」自己誇張症2011/02/20

映画や演劇の制作には、実に多くの裏方さんが参加しています。
俳優を含めた制作チーム全員で作り上げた作品なのです。

洋画を見終わり最後に、制作参加者のテロップが、延々と流れるのを待ちきれず、退出する多数の人を目にされたことと思います。
実に沢山の人達が仕事を分担し、その分野でのプロフェッショナルな仕事を成し遂げたかが分かります・

主役俳優、監督は注目されますが、その他のスタッフの仕事は一般的には話題にされることは少ないのですが、監督や主演俳優が「俺が、私が映画を作った!」とは言いません。

店づくり、売場づくりも同様に、チームでの仕事です。
時に話題に上る「高質SM」の店づくり、売場づくりになると、突然、TVタレントのように、自己主張型「社長」「デザイナー」が出てきて、自分があの店を作った!、と堂々と嘯く様は実に滑稽ですね。

一人で出来ることなど僅かです。プロジェクトに参加した全員の成果であることを忘れ、上手く行かない時は、責任を他人に押しつけ、成功の栄冠を独り占めを狙う可笑しな人達を時々目にしますね。

マネジメント第一主義批判2011/02/19

ドラッカーの偉業については異論はありません。しかし、昨今の、猫も杓子もマネージメント論、管理型マネジメント重視の風潮に異議あり!

マネージャーとワーカー、スタッフがチームで働くことで企業が動き、職場は運営されているのです。
全員がマネージャーになる必要も無く、多くを必要としません。

多くの作業員、スタッフの活動(仕事)の上に付加価値が生まれるのです。重視すべきは、作業方法、オペレーション、生産システムなど実務面で日夜創意工夫を重ねる人達、専門技術者の活動、仕事の方法に深い関心を持ち、これらの人達の技術の体系化と継承方法などを現実に即して考えることが大切です。

管理する人と管理される人という単純な図式ではなく、チーム生産性を構成する数ある要素の1つがマネジメントと考えるのが適当と考えます。
優れたマネジメント(管理型)?!だけで、生産性、付加価値生産性を上げることはできるのでしょうか?

大規模SM企業グループ形成への期待2011/01/23

ウォルマートは、今後、健康的で求めやすい食品の販売を積極的にすすめていくと発表しました。

1.2015年までに、数千のパッケージ食品の成分を調整して、25%減塩、加糖を10%削減、トランス脂肪を除去する。PB食品の栄養価を高める。

2.サプライ・チェーンの生産性を高め、新鮮な野菜やフルーツを求める消費者に対し健康食品を求めやすいものにする。また、減塩、糖分控えめ、低脂肪などの商品のプリミアム価格を廃止するか大幅に減らす。

3.食品シールを開発し、全粒穀物、全粒粉のパスタ、糖分無添加のフルーツの缶詰などの食品を、顧客が簡単に健康食品を見分けられるようにする。

4.食品店の少ない、フード・デザートに店舗を建設、新鮮で求めやすい食品を供給する

5.消費者に対して健康食品に関する教育を広める栄養情報プログラムを補助する。

この健康食品推進策は、国内のグローサリーの30%ほどの市場シェアを持つと云われるWM社だから出来るものでしょう。

日本のスーパーマーケットチェーンは、今後どの方向へ進むべきかについては種々議論があります。

食の安全安心の確保は当然の事であり永遠の課題です。その上で、新たなる社会貢献への取り組み、米国に於けるWMのような活動で、食品製造企業との連動による、市民への健康的な食品の提供という積極的な社会貢献に向け、リーダシップを発揮すべき時期です。

又、地域経済の活性化、内需拡大、サービス産業の付加価値の向上という、経済的側面でも大きな役割を担う立場にあることを再認識する必要があります。

今後、大手食品企業と対等に議論できる企業規模の形成が必要となるでしょう。

大同団結し、売上規模を拡大、MD力を強化し、新たなる社会的貢献が求められる時が、そこまで来ている様に思われます。

人類繁栄の原動力「交換と専門化」2011/01/22

祖父、父が街の衣料品店を営む家に生まれ、そして自分も小売業に働いて44年になります。

65歳を過ぎ、商業、小売業の社会的役割、商業と人類繁栄の歴史との関係、商業機能の進化など、
自分の生まれ育った故郷の歴史を知りたくなるのと同じような感覚で、商業史に興味を引かれてます。

そんな思いの時に、マット・リドレー著「」繁栄、明日を切り開くための人類10万年史」上下巻・早川書房、に出会いました。

訳者のあとがきにあるように、マット・リドレーは、
“人類進歩の原動力は何か?煎じ詰めれば、交換と専門化だ!”
“農耕の発展、都市化、人口変動、エネルギーの変遷、有益な知識の加速度的生産・・・・そのすべてに、交換(交易)と専門化が重大な要因として絡んでおり、社会水準の向上に貢献していることが示される”

と、交換(交易)と専門化の相互作用が今日の人類繁栄をもたらした言っています。
小売業は大きな社会システム、流通システムの一部に過ぎませんが、小売業に働く事への誇りと自信を与えてくれました。

閉塞感漂う日本経済の今、商業・小売業の「これから」のビジョン、戦略構想力が、「内需不振」脱出の大きな力となることを確信しました。

今日の切り抜き2011/01/17

*価格コンシャス

*青果平台45㎝冷蔵ケースロードライン、上からの商品目線で商品が見やすく、結果として商品陳列量も少なくできる

*「大事にしなくてはいけないもの」「なくしていいもの」を整理し、余分なサービス、品揃え、設備は思い切ってやめた。

*自分たちが「できること」ではなくて、小さな店でも「お客様が望んでいる事を突き詰めてやってみる

*コンセプトは「毎日使うものが安い」「毎日飽きない売場をつくろう」

*エブリデーグッズ、エブリボディーグッズ

*アイテムの絞り込み、価格ラインの整理

*特売以上に重視するのは、EDLPの卵、牛乳、納豆、豆腐、野菜(じゃがいも、玉ねぎ、ニンジン、バナナ、もやし)

*精肉部門は殆どがアウトパック。鶏モモ・胸の2品目のみインストア加工品

*売り方が単調なため、“お買い得感”や“お値打ち感”を出す工夫が必要

*ローコストオペレーションの実現には、定番アイテムを増やさず、シーズナブル
商品や売り切る商品を積極的に活用する

*総菜は、寿司は90%以上がインストア。サラダ、煮物、弁当は仕入商品

*丼、季節のご飯、スナック類、揚げ物は全てインストア。インストアと仕入(アウトパック)の棲み分けがハッキリしている

*ローコストオペレーションには「陳列回数を減らす」「手直し回数・時間を減らす」事が必要で、そのためには売れ筋商品の売場在庫を販売数量の1.5倍程度持てるスペースを確保する

テクノロジーの必要性!2011/01/17

「長州の五傑」をご存じですか。

幕末に鎖国の日本から英国に留学した二十代の若者五人衆の事です。
政治家となった「井上馨」、「伊藤博文」は余りにも有名ですが、「鉄道の父」と呼ばれた井上 勝、「造幣の父」遠藤謹助、「工学の父」山尾庸三たち三人の活躍も見逃せません。

政治家だけで新しい国づくりはできない!
欧米諸国との文明格差を縮めるには、社会基盤の整備が必要であり、それには、高度化した工学技術が必要だったのです。

さしずめ、日本の小売業で云えば、経営者とバイヤー、店長のマネジメント、オペレーションの伝承的知恵と経験論だけでは、これからの小売業の展望は開ず、時代はビジネステクノロジー、リテイル・エンジニアリングを必要としているのです。

精神論や概論ではなく、ビジョンを実現し、課題を解決するために、新しいテクノロジーが小売業にも必要なのです。
いつまでも、天気と元気、景気と経験、アイデアで小売業の進化は望めません。
米国視察を繰り返しても、学者や評論家、コンサルタントの話も役立ちそうにありません。
これからのチェーンストア経営に求められる、リテイル・テクノロジー、エンジニアリングとは何かという本質的問いかけが今必要なのです。

経営者、マネージャー、オペレーターの「マネジメント」だけでは新しい時代のスーパーマーケット像は描けません。テクノロジー、エンジニアリングの意味、意義を今こそ考える時期です。

「デフレの正体」を読む!2011/01/13

ベストセラーなので、既にお読みかも知れませんが、遅まきながら、正月休み中に、「デフレの正体」角川oneテーマ21 藻谷浩介著 定価724円を読みました。

小売業に働く多くの方にお薦めしたい本です。

長期にわたる景気の低迷、日本経済の先行きの見え無さ、売上不振の継続など、マスコミや経済評論家の話を聞いても、問題の本質、対策について納得できませんでしたが、この本を読んで腑に落ちました。

生産性、付加価値額の本当の意味を、自分は知らずにいた事が解りました。

「日本人の加齢による生産年齢人口の減少」という本質的問題を論ぜず、相変わらず景気回復期待の風潮に疑問を感じます。

大手小売チェーン企業は、付加価値の創造、富裕高齢者層の消費需要の創造など、新しい視点での社会的責任を自覚すべき時期のようです。

永続的課題、安全安心、環境問題への対応等に留まることなく、小売業本来の「商いの知恵」で、内需を喚起しなければ、現在の閉塞感から脱出来ない事を、この本で認識させられます。

久々に感銘を受けた価値ある一冊でした。

店舗の本質を考える2011/01/10

1.商いは、見世、魅せることから

おもしろいことに、広辞苑を見ると、 店舗とは「商品を販売する為の建物」の事なのですが、見世棚・店棚は、商品を陳列する台にも関わらず、平安末期ごろから現れた<常設の小売店>を指すようになったとあります。
そして見世棚・店棚が略されて<店・見世(みせ)>と言われるようになったそうです。

「見せ棚」即ち、商品を陳列して売る「たな」が置かれた所が、御店(おたな)と言われ、現在の「店」に繋がっているように思え、実に興味深い話です。

店・見世に置ける「棚」の位置づけに注目してみましょう。
見世棚が置かれて意味を現代的に解釈すれば、

① 売りたい(売れる)大事な商品を痛めずに保管するのに最適であっ た。

②棚が売場に隣接して置かれ、迅速に沢山の商品をお客に見せることができた。

③見世棚は、品揃えの豊富さ、即納体制など店の特徴を顧客に訴求できた。

④商品ロスや在庫金額・数量の正確な把握が手早くできた。

⑤売場と棚が直結していたため、店員の商品出し入れの距離を短く、効率的に商いができた。
となりましょうが、見世(店)と棚は一体のもであったと考えられます。

倉庫と売場の位置関係、ゴンドラ、冷ケースの役割・機能等、これらは現代のスーパーマーケットの店づくりにも通じる事柄です。

そして、何よりも物理的存在として、この時代から、様々な商品を商う「店」が、特定の場所に、いつも在って、買いたい時に買える状態「商業」「貨幣経済」の発展にも注目したい点です。

今は、消費者は、豊かな品揃えの中から商品が選べ、買物先には多くの選択肢があります。
従って、店舗の役割・機能で大事な点は単に商品を見世るだけではなく、「売る」「売れる」商いの場になる必要があります。

昭和60年代以前に見られた、売り手優位、供給側優位の必需品主体、サービス不在でも買ってもらえた「配給所」「購買所」や、ソ連崩壊前の旧共産圏諸国に見られたようなスーパーマーケットとは、本質的に異なります。


2.サービスと販売方法

店舗では様々なサービスが商品と共に提供されますが、商品の種類と売り方(販売方  法)が本質的問題です。商品と売り方の実例を見てみましょう。

例えば、宝石・時計・貴金属、靴、バック、婦人服、アクセサリー等のブランドショップなどでは、個別・対面接客販売。

めがね、補聴器、化粧品、調剤薬局では、コンサルティング販売で、お客様一人一人への丁寧な接客サービスで販売する方法があります。

その対極に位置するのが、お馴染み、スーパーマーケットのセルフサービス&セルフセレクションです。

そして、これらの中間的サービスが、家電量販店や紳士服専門店、ホームファッション、靴等のチェーンストア企業で見られる、側面・接客販売です。

説明の便宜上、上記のように大きく3つに分類しましたが、価格の安さを前面に打ち出す「ディスカウント」販売方式では、時計、靴、バッグ、婦人服、紳士服などでは、セルフまたは側面・接客販売も採用されています。

では、なぜ対面販売からセル販売へ変わりつつあるのか、その理由は幾つか挙げられます。

① 消費者の、販売員に煩わされずに、自由に商品を選び、触り、納得できるまで吟味し、買物  したいというニーズに応えた。

② 小売側は、売場を大型化し、メーカー各社の旺盛な商品開発で増えた商品を、出来る限り陳  列し、商品選択を顧客に委ねることが、顧客に喜ばれ競争上優位な事を学んだ。

③ POSレジの出現で単品管理が可能になり、大きな売場、沢山の種類の商品をコントロールできる  ようになった。

④ セルサービス・セルフセレクション、ワンストップショッピング、一カ所精算方式が、スーパーマーケットやディスカウントスト  ア等で顧客に支持された。

⑤ 少ない販売員でより多くの顧客に販売でき、効率的な店舗運営が実証され、多様な業態に応  用できた。

⑥ ローコストで単品毎の個別包装が出来るようになり、商品特性に応じ自在な陳列が出来るように  なった。

⑦ 販売環境デザインや販売什器の開発が進化し、専門店でもセル方式に顧客が違和感を持た  なくなった。

⑧ ビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)手法が開発され、効果を上げた。

と言うようなことが、セルフ販売の一般化の理由に考えられます。


3.商品と対象顧客

 商う“商品”により顧客特性は違います。実際には稀な事ですが、
一生に一度の買物「商品」であれば、今回限りのお客様と考えて商う事でしょう。

繰り返しの来店は期待できないので、いつも新規顧客を得るためには、自ずと広域から来店頂けないと商いを継続できません。

 顧客視点に立てば、一生に一度の買い物であれば、近さに、こだわる理由はありません。

選択基準は、価値(バリュー)=品質・機能・ブランド力 ÷ 価格、
と考えれば、ネットショッピングが可能な今では、日本全国、世界中が商いの対象になります。

反対に、毎日、消費される商品(例えば、肉、魚、野菜、玉子、パン、豆腐、牛乳等)を商う場合は、週に何回か来店頂けるお客様(馴染み客)、いわゆるリピーター(ロイヤルカスタマー)に商いは支えられます。

なぜなら、
つまり、扱う商品の特性によって、顧客と商圏(来店顧客の住所分布)は異なります。


4.店舗(売場)の大きさ

スーパーマーケットと言う業態が展開できる最小売場面積は30坪(約100㎡)でしょう。
例えば全日食チェーン加盟の都内店舗を見れば、実例は多くはありませんが、この規模のお店が半径約300m圏のお客様を対象に長く商いを続けているケースを見ることができます。

また、ローソン100や他の生鮮CVSの実例を見ると毎日の必需食材は30坪あれば提供できそうなことが分かります。
都内の商店街を歩くと、地元商店が経営し客で賑わう250㎡~300㎡の小型スーパーマーケットも多く見られるます。

売場面積400㎡や500㎡のスーパーマーケットの店舗企画を行った私の経験から云えば、500㎡の売場があれば、近隣のお客様にお役に立つ日常食生活便利店<スーパーマーケット>に成り得ます。

1000㎡の売場面積があれば、駐車場台数にも影響を受けますが、食品スーパーマーケットとしては
競争力を持ち広域からの来店を狙うことが可能な店を作る物理的条件を満たしていると言えるでしょう。

現在、郊外型SSM(スーパースーパーマーケット)2000㎡~2500㎡も多く見られようになりましたが、週末の車によるファミリーショッピングを狙って、フードコート、総菜、日用雑貨、住居用品等も取り込んで売場を大型化しています。

授業員一人当たりの売場持ち坪数を増やし、ローコスト運営を実現できます。

日本型総合小売業(GMS)では、2500㎡、3000㎡と言う大きな食品売場(スーパーマーケット・ゾーン)が多く見られます。

しかし、この売場の大きさは、各商品部門毎に必要な売場面積、過去の販売実績の分析から必要な販売什器台数が積算された訳ではなく、競合店を上回る売場面積が競争力と信じるが故に、競合店との相互作用で年々売場が大型化する矛盾に陥ってしまっており、

一方では、建物プラン上、フロアー床面積、柱位置、エスカレータ位置などを勘案しザックリとゾーニングされることが多いのです。

従って、平日は大きな売場面積を持て余し、特売、大量陳列商品で埋め尽くされる店舗が続出するようになりました。

2店舗以上持つスーパーマーケット企業であれば、既存店の営業実績と商圏(来店客)を詳細に分析することで最適な店舗規模を描くことができます。

現在の実力を表す店舗規模に、戦略的強化「商品部門」の挑戦的売場面積を加えたものが、最適な店舗(売場)面積と言えるでしょう。

現実を見ると、店舗(売場)の大きさをどのように決めるのか、と言う問いに答えることは簡単ではありません。

先ず1つは、理想とする土地や建物面積の取得が困難で、手に入る土地や建物の規模に合わせ店の大きさを決めざるを得ないことが多いからです。

又、企業が最適と思う立地に必要な広さの土地を「更地」で手に入れることは非常に困難な状況です。

小売業では新店の成否は立地次第と言われるほどですが、スーパーマーケットに最適な立地は、外食チェーン、専門量販店チェーンにとっても良い場所ですので物件争奪戦が増えています。

不動産を貸す側から云えば、より高い地代家賃で借りてくれる方が良いので、厳しい価格競争のさらされているスーパーマーケットは大きなハンデを負っています。

ですから、借りられる物件で、商売が可能かどうかの検証から、店舗企画がスタートするケースが多々見られるのです。


5.固定客(お馴染みさん)

当たり前の事ですが、商い(商売)の場としての店舗は、商品を売り上げた代金で、次の販売商品を仕入れ、また販売する。これを繰り返す事で「利益」を生み出し、生計を立てます。

飽きずに続ける仕事が「商い」とよく例えられますが、1回限りの商いではなく、永続させるためには、日々顧客の来店が継続しなければなりません。

商いでは、日銭(毎日の売上)が大事で、そのため多くの企業は365日、店舗は休むことなく営業が続けられ、社員は交代で休みを取ります。
では、商う対象の顧客は毎日昨日とは違うのでしょうか。

一生に一度の買い物は別にして、普段の日常生活に必要な品々を買う場合には、店舗選択の要因の一部である、店までの時間・距離、費用(コスト)、交通手段等が考慮され、「行きつけのお店」「行き慣れたお店」の利用度が高くなります。

このようなお客様は「お馴染みさん」「お得意様」「固定客」「ロイヤルカスタマー」と呼ばれお店にとって大事な顧客です。
スーパーマーケットでは、毎日来る、2日に一度、3日に一度の来店頻度が、お客様の60%~70%を占めるほど、実に多くの顧客が繰り返し来店しています。

自分流の「良い悪い」「好き嫌い」という店舗選択基準を持つ、生身の人間、感情豊かな人達が商う相手です。


6.よく利用する店

 消費者は、日常必需品の買い物に利用する「スーパーマーケット」をどのように選ぶのでしょうか。 特定の1店舗のみを利用することは少なく、週に1回程度利用するお店、月に2,3回利用するお店など3店舗ぐらいを賢く使い分けているようです。

では、最も頻繁に利用されるお店に選ばれるポイントはどこにあるのでしょう。

消費者としての自分を考えてみれば自ずと明らかな事ですが、人により重視する順番は異なるにしても、

① 近くい(店舗までに距離が短い)、 

② 一カ所で買い物が済む便利さ、 

③ 価格が妥当(均せば他店と同等か安い)、

④ 美味しい・品質がよい、 

⑤ 社員のサービスがよい、

⑥ ポイント制度の利用で割引が受けられる等が挙げられます。

昨今のスーパーマーケット業界の競合激化、消費者の厳しい商品選択眼を考えれば、品揃え、価格、サービスで著しい問題を抱える店舗は営業の継続はできようもなく、「近い」と言う立地の便利さは大きな店舗選定要因になっています。

生鮮食品や総菜の買い物では、鮮度(できたて)、味の良さが大きなウエイトを占めます。

食料品の売上高が全売上の70%以上を占め、生鮮食品、総菜が食品売上高の50%近くにもなるスーパーマーケットでは、顧客の生鮮食品、とりわけ青果、鮮魚部門、総菜部門の評価が客数の多さの決め手になっています。


7.繁盛店と不人気店

 毎日ではありませんが、定期的に開催される「お祭り」や「市」には露店が出ます。露店の中には、同じような商品を、同じような装備、同じような間口幅(売場面積)で商いをしながら、繁盛店・人気店と不人気店に鮮明に分かれてしまう事をよく目にします。

露店だけでなく、一般の商店やスーパーマーケットでも同様です。
なぜ、価格が同じ商品を売りながら、なぜこのような違いが出るのでしょうか。

1つには、
立地の違いが人気の違いを生む要因になります。
通路(道路)は、駅や繁華街、集客の源に向けて、上りと下りのどちらかに分かれた人の流れができます。この流れ(人流)の多い方に面する事は当然のことながら商いには有利になります。

2つ目は、
隣接する店舗の集客力の強さ、集客相乗効果の有無があります。
露店であれば、もしたこ焼きさんであれば、おもちゃ屋と金魚すくいが両隣にあれば大いに相乗効果が期待できます。

3つ目には、
楽しい、活気がある、親しみやすい等の店舗の雰囲気の違いがあります。
とりわけ、店主、販売員の雰囲気がお店への入りやすさ、近づきやすさの違いをつくります。

4つ目には、
見た目のボリューム感、出来立て感という、価格以外の五感に訴える商品のチカラ
の違いが考えられます。

5つ目は、買い物客の不安感への対応力です。

「安心感」「信頼性」「清潔」「安全」等の店舗イメージの違いです。これらの小さな違いの積み上げが、大きな違い、集客力の違いを生じるのです。


8.店舗も顧客を選べる

お客様が店舗を選ぶように、店がごく自然にお客様を選んでいる事をご存じでしょうか。

大都会の駅周辺や繁華街は、年齢、所得レベル、好みのライフスタイルやファッション、感性等が様々な人々が行き交い、多くの有名なラグジュアリーブランド゚、ファッション、時計金属、アクセサリー等の専門店が軒を並べています。

ウインドショッピングには良くても、店内への入り難さを感じる人も多いと思います。店舗の外観、外構デザイン、とりわけ入口の設計で結果的に、お客様を選んでいるのです。

専門店(専門店の集積施設)は全年代、全所得層、全需要対応の小売業ではなく、店舗コンセプトに基づく、特定の顧客層をターゲットとする小売ビジネスです。

これらの専門店で買い物されるお客様は、婦人肌着売場に男性客がいて欲しくないと女性客が感じるように、店舗(売場)では中心顧客像と感じられる買物客に囲まれるほうが、安心感を感じ落ち着いて買物できます。

従って、敢えて自動扉を設けず二重扉にしたり、重厚感ある扉の押し板・引き手、歩道と入口との間に段差を設ける等、スーパーマーケットの親しみやすさ、入りやすさと真逆なデザインをする事もあります。 


9.店舗と裁判所、官庁との違い

スーパーマーケットは、明るく、清潔、親しみやすく、入りやすい、安全で安心して買物できることが店舗設計の基本で、とりわけ、店舗入り口の設計は大事なポイントです。

赤ちゃんを抱いたお母さん、お年寄り、身障者など、歩行に注意を要する様々な方が来店されるので、歩道や店頭、駐輪場、駐車場から入店の際、足元に注意を払わないと安全に、安心して入れないのでは「欠陥入口」です。

そこで、道路、歩道からから段差、凹凸を無くし、足下を意識せずに店舗に入れるよう工夫します。高低差を生じる場合は、車椅子で安心して動ける緩やかなスロープを設けます。

一方、多くの裁判所や官庁の建物入口には、なぜ階段が設けられているのでしょうか。

一説には、権威性の象徴とも聞いた事がありますが、建物の外観、外構、門から建物に至る道、階段を上る、重々しいデザインの扉を押し開くなどの全ての過程が、訪問者に儀式的イメージを与え、無意識に心を構えさせる、ある種の儀式の様式を生み出しているのかも知れません。

今も、数段の階段を上って入店しなければならないお店が在るのは非常に残念なことです。

販促POPアイデア2010/05/13

「作りたて」を適度な間隔で、繰り返し訴求することは、イメージ形成と衝動買いに効果的です!